仁丹の臭い匂いって何?実は明治時代から続く口臭ケアだった!?

「仁丹(じんたん)」ってご存知ですか?

キーホルダーなどについているボールチェーンのボールのような、粒の口中清涼剤のことです。

私もすっかりその存在を忘れていたのですが、今日の通勤時、すれ違った男性から「仁丹」の匂いがしたんです。

 

私がまだ子どもの頃、親戚のおじいちゃんに仁丹を愛用している人がいました。

おじいちゃんからはいつも独特の、漢方のような薬箱のような匂いがしていました。その匂いの正体が、仁丹だったんです。

私も何粒かもらって食べたことがあります。昔のことなのであまり覚えていないのですが、苦いというかなんというか……独特の味がしましたね。

 

懐かしくなったので、今回は仁丹について書いてみようと思います。

 

仁丹ってどんなもの?

仁丹とは、1905年(明治38年)に「万病に効く」として発売された携帯・保存に優れた薬のことです。

現在では主に口中清涼剤の用途で医薬部外品として販売されています。

引用元 Amazon

こちらが仁丹。

3250粒で1313円。グラムではなく粒の数で販売され続けているところにこだわりを感じます。

 

引用元 Amazon

これは携帯用のメタルケースです。金色と銀色があるようですね。余談ですが、私の親戚のおじいちゃんは銀色を使っていました。

ここまで来たら、なんとなく知っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

仁丹の歴史

 

仁丹は息の長い商品です。いつから販売されているのでしょう。歴史からみていきますね。

森下仁丹の創設

仁丹が発売された明治38年、意外なことに当時の日本では、貧しさから治療を受けられず、風邪や食あたりで命を落とす人も多かったそうです。歴史でいうと日露戦争(1904~1905)の頃ですね。

仁丹の発売元は森下仁丹といいます。創業者である森下博は1895年(明治28年)、日清戦争(1894~1895)後に台湾に出征し、現地で常用されている丸薬を目にします。帰国後、彼はそのような新しい総合保健薬を作ろうとしました。和漢の生薬原料を取り寄せ、薬学の権威からアドバイスを受けながら、3年の歳月をかけて仁丹を完成させたのです。

仁丹の主な成分

仁丹の主要な成分は

  • 甘草(かんぞう)
  • 阿仙薬(あせんやく)
  • 桂皮(けいひ)※セイロンやインドネシア産のものはシナモンという名称でおなじみです
  • 和桂皮(わけいひ)
  • 茴香(ういきょう)
  • 生姜(しょうきょう)※しょうがを生の状態から乾燥させたもの
  • 丁子(ちょうじ)

など十数種類。

 

最初の仁丹は、現在のような小さい銀色の粒ではなく、赤い大きな丸薬でした。携帯性・保存性を高めるため表面をベンガラでコーティングし、「赤大粒仁丹」として、1905年(明治38年)2月11日、発売に至りました。

謳い文句は「完全なる懐中薬・最良なる消し(もしくは最良なる口中香剤)」だったそうです。

ベンガラとは・・・耐熱性・耐水性・耐光性・耐酸性・耐アルカリ性のいずれにも優れた、安価で無毒、人体にも安全な赤色顔料。
とは・・・コレラや梅毒のこと。特にコレラは明治・大正期において致死率の非常に高い病気でした。

名前の由来

「仁丹」の名前の由来は、儒教の教えの中心で最高の徳である「」と古代中国で不老不死をかなえる仙薬として知られていた」を合わせたものです。

1900年(明治33年)に商標登録されました。

パッケージ

パッケージに描かれた大礼服姿は通称「将軍マーク」として有名です。ですが実際には、このデザインの人物は軍人ではなく外交官をイメージしてデザインされたものだそうです。一般的にはビスマルク像が図案化されたものと言われています。

ビスマルク・・・プロイセン及びドイツの政治家。ドイツ統一の中心人物であり、「鉄血宰相」とも呼ばれます。

輸出のはじまり

発売から2年後の1907年(明治40年)、中国から海外市場を開拓し始めます。
1912年(明治45年)にはインドにボンベイ支店を開設。その後インド、インドネシア、ハワイ、チリ、タイ等、世界で13カ国以上の国に輸出されました。
大ヒット商品だったんですね。
同時に国内では大規模な宣伝活動を行いました。新聞広告から大イルミネーションなど、都市の新名所作りも意図されていたのです。
東京の浅草に広告塔(凌雲閣を模しており、「仁丹塔」と呼ばれ親しまれました)が設置されたりもしたそうです。
凌雲閣とは・・・東京都浅草公園にあった煉瓦造り12階の建物。明治23年(1890)に建設され東京名所となりますが、大正12年(1923)の関東大震災で半壊し、撤去されました。通称「十二階」。

仁丹の効果

仁丹は気分不快、口臭、二日酔い、宿酔、胸つかえ、悪心嘔吐、溜飲、めまい、暑気あたり、乗物酔いに効果があるとのこと。
まさしく総合保健薬といえそうです。1粒の仁丹を製造するために、およそ8日を費やすという熱意のおかげもあるのでしょうか。
私としては、「口臭」効果もあることに驚きです。確かに仁丹の匂いは変わっていますが、口臭とは違います。きっと明治時代にも、自分の匂いを気にする人は多かったんですね。

 

仁丹の匂い

仁丹は独特の匂いがすると言いましたが、そう思っている人は他にもいるみたいです。

年配の方(特に男性)って、どうして仁丹食べる(?)人が多いんですか?
そもそも仁丹ってなんですか?
ミンティアとかピンキーみたいな感覚ですか?
あの匂いはちょっと何とかならないのでしょうか。
引用元 Yahoo!知恵袋
そうなんです。「口中清涼剤」のはずなのに、仁丹は「臭い」のです。最初に書きましたが、漢方のような薬箱のような匂いがするんです。
これは生薬だからだったのですね。
原料のうち身近なシナモンや生姜のことだけを考えても、独特の匂いがします。それを思えば納得できるのではないでしょうか。

仁丹の派生品

とはいえ、仁丹のちょっと変わった匂いを臭いと感じる人は若者に多いそうです。

私にとっては親戚のおじいちゃんのおかげで、懐かしい思い出の匂いになっていますが、そんな経験のない人にはきついかもしれません。
そのせいか、グリーン仁丹、梅仁丹、レモン仁丹といった派生品も発売されました。残念ながら、現在は販売されていないようです。
引用元 Amazon
グリーン仁丹
引用元 Amazon
梅仁丹
引用元 Amazon
レモン仁丹

 

現代の新しい仁丹

タブレットは定着しなかった仁丹ですが、現在はのど飴に姿を変えて売られています

銀粒のものより匂いは気にならなさそうですね。

「臭い」というレビューはありませんでした。

引用元 Amazon

梅仁丹のど飴

引用元 Amazon

鼻・のど甜茶飴

 

まとめ

仁丹って病気と口臭の予防薬だったんですね。独特の臭い匂いも、体に良い生薬からくるとのこと。

いつの時代も、人は健康や匂いを気にするものなんですね。

仁丹がロングセラー商品であることが、その証拠かと思います。

あなたの知っている年配の方にも、ひょっとしたら愛用者がいるかもしれませんよ。

明治時代から続く口臭ケアを、「仁丹」で受け継いでみるのもいいかもしれません。