いつも仲良くしてる従姉妹の景子ちゃん。歳は私より15歳上。あんまり会えないけどLINEはしょっちゅうしてる。
でもこの頃、元気がない様子。
心配なので、会う約束をしてランチに行った。




更年期とは
個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。
卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、20~30代でピークを迎えますが、40代に入った頃から閉経の準備として急激に低下が始まります。
女性ホルモンの分泌量が低下してくると、ホルモンバランスが崩れ、身体や心に様々な症状が表れます。これを更年期障害といいます。
身体や心に表れる更年期障害の症状とは、どんなものなのでしょうか。
更年期障害とは
更年期障害は千差万別、症状も重症度も色々です。女性だけでなく、男性にも更年期障害はあります。
発症する年齢の個人差はとても大きく、早ければ30代後半で更年期障害の症状が出てきて、自覚する人もいます。
更年期障害を起こす背景には、心的ストレスや性格的なものが強く影響しています。
症状も本当に様々で、たいした症状を感じないまま過ぎる人・ちょっとの自覚症状があるけど気にならない人・更年期障害の症状があっても感じる日・感じない日もあれば、起きられないほど重いなど日常生活に支障が出てしまうほどヒドくなる人もいるなど、十人十色です。
更年期障害の症状
更年期症状は、多岐にわたりますが、主な症状は次のようなものです。
など、さまざまな症状が200種類以上あります。
日本人によくみられる更年期の症状として、肩こり、疲れやすい、頭痛や腰痛、のぼせなどがあります。
更年期障害の症状にある、のぼせ・異常発汗は、更年期障害による血管の病変の始まりです。女性ホルモンが低下すると血管が広がりにくくなります。これを何とかしなければと血管が広がり機能を高めようとするために、のぼせ・異常発汗が起こります。
これは身体が酸化している、つまり、老化しているのと同じ現象が身体に起きているのです。
老化により血管が広がりにくいと血管の機能が低下し、ひどい時は狭心症や心筋梗塞などの重症な病を招きかねます。タバコを吸うことも血管を狭くしますが、これと同じことになります。
また、
つまずいて手や肘をついて骨折・くしゃみをしたくらいのわずかな衝撃でさえ骨折してしまうことがあり、とても危険です。そして骨折によって寝たきりになって要介護になるおそれもあり、なりたくない病気です。
こうした様々な症状がある更年期障害は、どのようにして起こるのでしょうか。
更年期障害が起こる仕組み
更年期障害は、閉経により卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減ることにより様々な症状が起こります。
閉経するまではエストロゲンによって調節されていた体の色々な働きは、エストロゲンの分泌量が減ると機能しなくなってきます。

エストロゲンの低下を察知した脳は、卵巣に対して『常に適量のホルモン分泌をするよう』指示します。

また卵巣は適量が分泌されていることを脳に返事をしています。

しかし、機能が低下してしまった卵巣は十分なエストロゲンを分泌できず、卵巣は良い返事を脳へ返せません。
こうしてホルモンバランスの乱れが生じることから自律神経(血管・内臓などの働きをコントロールし体内の環境を整える神経)の調節がうまくいかなくなります。
それに加えて、加齢からくる身体的変化・心理的変化、家庭や職場・地域などの社会的要因(ストレスなど)が影響してきて、様々な身体の変化が起き更年期障害になります。
痛いのとか臭くなるのは、イヤだなぁ …… 。
やっぱり景子ちゃんのワキガの原因は更年期障害の一部でしょうか。
更年期とワキガの関係
ワキガって良く耳にしますよね。実際はどんなものなのか、みていきましょう。
ワキガとは
脇の下から出る汗が、汗の臭い(酸っぱい臭い、汗臭いと表現されることが多い)とは違う、特有の臭い(鉛筆・クミン・納豆・ドリアン・古い洗濯ばさみなどの臭いに似てると感じられている)である症状です。
ストレスでワキガが発症してしまう事があるって知ってましたか? 酸っぱいニオイや納豆やドリアンなどのニオイ、腐ったニオイと例えられる事があるワキガ。 周りから不快な思いをさせてしまう事があるワキガ。 もし、自分が知らず知らずのうちに発症[…]
ワキガの原因
ストレス
現代社会はストレスの塊といえるくらい、ストレスを多く感じてしまいますよね。心理学的には『1番のストレス原因は人間関係』と言われています。
ストレスは、自律神経(血管・内臓などの働きをコントロールし体内の環境を整える神経)に大きな影響を与えます。自律神経には、交感神経(起きているとき・緊張しているときの神経)と副交感神経(寝ているとき・リラックスしているときの神経)の2種類あります。
この自律神経が乱れることによりワキガになる人もいると言われています。その自律神経を乱す最大の原因はストレスだと言われています。
ホルモンバランスの乱れ
ストレス・不規則な生活習慣・心身の疾患などが原因で自律神経のバランスが崩れると、ホルモンバランスも乱れます。するとアポクリン腺というワキガ体質の人が多く持っているニオイのある汗を出す腺を刺激し、ワキガ臭がでる原因になることがあります。
食生活
栄養の偏り・暴飲暴食など続けていると段々と身体は弱っていきます。その結果、ホルモンが十分に作られず、ホルモンバランスが乱れると共に身体のバランスも乱れ、身体だけではなく、心へも大きな負担になります。
景子ちゃんのワキガと更年期は関係あり ! !
- 更年期のせいでホルモンバランスが乱れている ↓
- それが自律神経を乱し、ワキガが発症
- 更年期のせいで眠れない→ストレスが溜まってしまいワキガ臭くなった
と見て間違い無さそうですね。
更年期とワキガがこんなに結び付くとは思いませんでした。
では、ワキガの一因でもある更年期障害を少しでも改善するためには、どんなことをしていけば良いのでしょうか。
更年期障害への対策
更年期障害の辛い症状は、1つ1つそれぞれに対処しましょう (頭痛や関節痛が酷ければ鎮痛剤を服用・手足の冷えはお湯で温めるなど)。
- 休憩
- 食事
- 運動
などの基本的なことがとても重要です。
更年期障害の時期に1番大切なことは『日常生活の改善』
今までの生活はどうでしたか?見直せる所は見直して、生活習慣改善をしましょう。
生活習慣の改善は更年期障害だけでなく、ワキガや加齢臭、生活習慣病の予防にもなります。
身体のバランスを整える
ちょっと調子が良くないな、と感じる時こそ柔軟体操など身体を動かして、血流を良くし、心もリフレッシュしてください。
調子が良くないから動かさないのは逆効果です。
心のバランスを整える
更年期障害の諸症状をより重くする一因の過労やストレスへは工夫次第で心のバランスを整えます。そこから自律神経へよい影響を与えましょう。
気分転換を心がける
- 座ったままでも良いので背伸びをする・座りっぱなしなら歩く・肩や首のストレッチをする
- きちんと深呼吸する・・・仕事中や家事の途中にも時々深呼吸しましょう
- 趣味を楽しむ(趣味がない人は家事をしながら音楽を聴いたり、動物が好きな人は動物の写真(画像)を眺めたり、なんとなく空を眺めるのも良いですよ)
- ストレスをためない=自分に合うストレス解消方法を見つけておく
- リラックスする時間をつくる
- 少ない時間でも自分のための時間をつくる
バランスの良い食事・抗酸化作用のある食材を摂取する
更年期の女性に適した食事とは「バランスのよい食事」が一番肝心です。しかし『これさえ食べていれば』という食材はないです。また、更年期=老化(酸化)ともいえるので、抗酸化作用のある食材もご紹介します。
オススメのメニュー
ご飯・味噌汁・魚料理・おひたし・煮物などを組み合わせた『和食』。抗酸化作用のあるごまや海草類・桜エビやうるめいわしを加えましょう。
1日1~2回は魚料理を取り入れることを意識しましょう。また、緑黄色野菜の小鉢を昼夜1皿ずつ加えるとバランスもよくなります。抗酸化作用のある赤パプリカ・ブロッコリー・パセリも上手に取り入れてください。
デザートは、皮ごと食べられるブルーベリーやリンゴ、抗酸化作用のあるキウイフルーツ・いちご・柑橘類(日焼けの素になるので朝はオススメしません)など、旬のフルーツを1日200gを目安に食べましょう。
小腹が空いたら
抗酸化作用のあるアーモンドやピーナッツを食べると良いでしょう。
飲み物はペットボトルより入れたてのコーヒー・緑茶を飲みましょう。抗酸化作用があります。
大豆イソフラボン
女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されている栄養素です。1日の摂取目安は75mgです。納豆1パック(50g)で65mg、大豆飲料125mlで69mg。
大豆には、オリゴ糖や食物繊維も多く含まれていて、加齢に伴い乱れがちになる腸内環境を整えてくれ、骨を強くするカルシウムも豊富です。
しかし、毎日毎食をバランス良くメニューを考え作り、簡単に食べるのはとっても大変。そこで、手軽に摂れるこちらはどうでしょうか。
- 豆乳・・・大豆イソフラボンが多く含まれている
- 牛乳やヨーグルト・・・カルシウム(骨粗鬆症予防)
- 乳酸飲料には乳酸菌(便秘予防)
- 野菜ジュースにはミネラルやβカロテン(野菜ジュースはあくまでも普段の食事の補助として飲んでくださいね)
運動で対策
健康を維持するのには、やはり運動が不可欠です。
ウォーキングや水泳、軽いジョギングなどの有酸素運動がとても有効的です。
香りで対策
アロマセラピーで更年期障害への対策を取ることもできます。
注意点
- 天然100%のエッセンシャルオイルを使いましょう
- 効能ばかりを気にせず好きな香りを使いましょう
- 原液のまま肌へ付けないでください
- 服へ垂らすときは生地へ染みがつかないよう気を付けてください
症状と香り
- 無気力なとき ・・・ローズマリー
- 不安が強いとき・・・ひのき、サイプレス、ジュニパーベリー
- 気分が落ちているとき・・・オレンジスィート
- イライラするとき・・・ラベンダー・カモミール・ローマン
音楽で対策
家事をしながら、また布団に入ったときに心休まる音楽と共に過ごしてみてはどうでしょう。
従姉妹の景子ちゃんは、40歳になった頃から身体に変化が表れてきたそうです。そして、42歳になると、7日間続けて夜眠れない日が続きストレスになりイライラが募ってしまいました。そこで「自律神経を整える音楽」や「眠りへの導き」という音楽をスマホへダウンロードして布団へ入ると流し、聴きながら何も考えず眼を閉じるそうです。もちろんそれを聞いて眼を閉じていても、眠れない日も多々あると言っていました。でも「眠れなくても音楽を聴くことで心が休まればそれでも少しは違うから」と聴いているそうです。
CDショップなどにも安眠や自律神経のための音楽が入ったCDはあるので利用してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
更年期・更年期障害とその対策、更年期とワキガの関係について調べましたが、いかがでしたか ?
私達の身体は本当に繊細で複雑に造られています。そして、身体のニオイも状態も、生活習慣と大きく結びついていて生き方によって良くも悪くもなるということがわかりました。
誰にでも訪れる更年期。来るとこが分かっているから前もって準備ができますね。
今、更年期でニオイが気になるようになった人も、更年期障害の症状に悩まされている人も、これを終わりまで読んできたので、きっと何か変えられる・困っている症状を少しでも改善できるのではないでしょうか。
少しだけ対策をしてみて。ふと気づいたら「何か楽になったかも」と思える日が来ると信じたいです。
今からでも遅くはありません。何か対策を講じてツラい症状を少しでもやっつけて、明るい未来を目指しましょう。