頭皮にかさぶたが出来てしまって困ったことはありませんか?
私もできたことがあって、それがきになると指でかさぶたを触っているうちにとってしまうこともありました。
同じ部分でそれを繰り返すと、かさぶたと一緒に毛を抜いてしまうことになるのかその部分だけ短い毛になってしまったり薄くなってしまったりします。
汗をかくことでその部分がかゆくなったり、かさぶたをとることでじゅくじゅくさせてしまったり繰り返してしまう。
そろそろ美容院に行きたいけど恥ずかしいことで先送りにしてしまったり。
そんな心配をなくすためにも早めに治せるように、できてしまった時の対処法などについてお話ししたいと思います。
頭皮トラブルで考えられるものと原因は?
①丘疹(きゅうしん)
いわゆるニキビで、ポツンと盛り上がり赤いもの白いもの、内容物に水分を多く含む状態など状態はさまざま。痛みやかゆみを感じることも。
原因は皮膚のターンオーバーの乱れで角栓により毛穴がふさがった状態です。生活習慣や食生活の乱れ、紫外線などで引き起こされ、皮脂の過剰な分泌が考えられます。
②毛のう炎、毛包炎
毛穴が赤くブツブツとした状態になったもので、多くはかゆみや痛みを感じません。
黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などが毛穴に入り込んで、炎症することで引き起こされます。
③脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌過剰とその皮脂を好む真菌のマラセチア菌が原因で引き起こされます。
症状の程度が軽ければ自宅ケアでよくなっていきますが、症状がひどい場合は皮膚科での治療が必要になります。
自宅ケアと皮膚科での治療にわかれる脂漏性皮膚炎。
詳しいお話しはのちほど解説!
④頭皮の乾燥(皮脂欠乏性皮膚炎)
皮脂が多いこともトラブルの元ですが、皮脂が少なくてもトラブルになります。
皮脂が少ないことで肌に必要な水分を保てず乾燥し、皮膚表面が粉をふくような状態に。かゆみやフケの原因となります。
⑤接触性皮膚炎
毛染めなどの薬品、合わないヘアケア商品によっておきる皮膚のかぶれやただれの症状で、フケやかゆみをともなう事が多くひどい場合にはかさぶたができます。
天然成分のヘナ染めも植物性のアレルギーがある人はアレルギーが出る場合があるので例外ではありません。
⑥膿痂(のうか)湿疹
いわゆるとびひ。何らかの炎症を起こした部分をかくなどして傷がついた際に細菌感染を起こしたもの。
接触により飛び火するように周辺や離れた場所に感染をおこします。ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(
⑦頭部白癬(しらくも)
白癬菌による感染症。水虫の原因菌でほとんどは足に感染を起こしますが、頭部や体に感染を起こすことがあります。
頭部に出来た場合は白い円形状のかさぶたができ、周囲の毛が薄くなったり抜けおちることに。
頭部白癬は「しらくも」と呼び、体部白癬は「ぜにたむし」手白癬は「手の水虫」陰部に感染すると「いんきんたむし」と呼びます。
⑧アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は全身にかゆみのある湿疹が慢性的にできる病気なので、頭皮にその症状がおきることもあります。
アレルギーを起こしやすい体質や皮膚の“バリア機能(外界からのさまざまな刺激などから体内を守る機能の事)”が弱い人におきる病気で原因はまだ解明されていません。
対処方法は?
前述の①~⑤については自宅でのケアがある程度可能な範囲になります。そして⑥、⑦については細菌の感染によるものなので皮膚科での治療が必要になります。⑧については原因不明のアレルギー反応やバリア機能の低下ですから同様に皮膚科の指導をあおぐべきものになります。
それなら①~⑤のケアはどうするのか?それについてこれからお話しします。
1.正しい頭皮ケア
毎日のシャンプーは夜に1度だけ。洗う際にはまず予洗いをしてください。シャンプーをする時は爪を立てないように指の腹を使って頭皮をマッサージするように行いましょう。
そしてよくすすぐ事。頭皮のできものの原因として、汗などの外的刺激、シャンプー時にごしごしやりすぎで頭皮を傷つけていることやすすぎ残しがあるということがあげられるからです。洗いすぎはあってもすすぎすぎということはないのでしっかりすすいでくださいね。
洗髪後はきちんと乾かすことで濡れた髪に雑菌を繁殖させないようにしましょう。
2.食生活の改善
脂っこい物、動物性たんぱく質であるお肉を多く食べる食生活は肌荒れのもとです。頭皮も肌の一部、食生活をバランスよくすることで頭皮のトラブルも軽減することができます。
脂質や塩分を多く含む食品や糖分のとりすぎは血行を悪くさせます。
ビタミンBが糖分をエネルギーに変えるときに使われます。糖分を多くとるという事は消費するビタミンBも多く必要になります。結果としてビタミンB不足に。
ビタミンBは不足すると代謝が落ちて血行も悪くなってしまいます。肌のターンオーバーを正常に保つためにもきをつけましょう!
3.睡眠をきちんととる
睡眠をとる事は体内のホルモンバランスを整え新陳代謝を良くします。
ここで一つアメリカのコロンビア大学が2005年に行った調査のお話をさせていただきますね。
それによると睡眠不足な人は肥満の傾向にあるという研究結果があります。良く寝た人に比べて食欲ホルモンの「グレリン」が約15%多く、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が約15%少ないという結果が出たためです。
起きているという事はそれだけ活動しなければいけないということになります。そのため体はそういったホルモン調節をして必要なエネルギーを確保しようとします。
そして寝不足の時は、糖質を取りたくなることが医学的にわかっているんですね。糖質を取ると癒やしホルモンの「セロトニン」が脳内に分泌され、不眠によるストレスやイライラを緩和させてくれます。
もうここまでお話したらわかりますね?寝不足が原因で自然と食生活のバランスも悪くなってしまいます。
頭皮のケアの次に意識すべき事は睡眠をきちんととる事かもしれません。
4.ストレスを軽減する
ストレスでホルモンバランスが崩れることはもちろんですが、前述したように甘いものを食べたくなります。
脳はストレスで疲れてしまっているので甘いものを食べた時にでるセロトニンを欲しがるためです。ストレスを軽減するには軽い運動を取り入れるといいです。
実はスイーツを食べるよりストレス解消には運動の方が効果的です。正直面倒な気がしますがその効果を比べれば納得の仕組みが見えてきます。食べて幸せ感が続く時間は約20分と言われています。逆に食べて1時間後に不安が増すともいわれています。甘いものを食べると血糖値上がり、その時にインスリンが放出されます。インスリンは上がった血糖値を下げる役割の調節するホルモンですが血糖値を下げる時、同時に一時的にセロトニンが脳内で放出されます。甘いものを食べて幸せというのはこのセロトニンによる効果なのです。
セロトニンは脳に幸せを感じさせるホルモンです。脳にとって楽しいことをすると次は脳内にドーパミンが増えるのですが、ドーパミンはアルコールや喫煙、そして食べ物への依存を生み出す物質と言われています。一時的な快楽や幸せは時間の経過(約20分)とともに消えていきます。
幸せを感じたぶん相対的にストレスや不安が増した気がするというわけです。またドーパミンの影響で甘いものを食べたくなるように感じてしまいます。セロトニンは幸福感を感じさせるホルモンですが、気分や集中力を左右する神経伝達物質でもあります。
セロトニンが増えるという事は集中力が増し心が落ち着くということがいえます。運動を続けると、今日はこれだけ運動した、継続すると、継続できるようになった、と達成感・満足感が得られ自信につながり気持ちが明るくなり前向きになるという効果があります。運動は依存への意識をそらす、依存を解消する効果があるのでそういった点でもおすすめなんです。
ある研究によれば約20分間の運動で、その後12時間”幸福感”が持続するという結果が出ました。スイーツより効果的、しかも自信と体力の向上で気力も上がります。
スイーツは食べるの一瞬、幸せ20分。 運動は軽く20分、幸せ12時間。
どうでしょうか?それなら無理せず自分のペースで運動をして、出来るなら外に出て気分転換もしてみてください。
継続していくことが重要なので、自分のできるものを少しずつ続けましょう。
毎日じゃなくてもいいので、たった20分!テレビ見ながらでもやりましょう!
セロトニンを増やす効果が高いといわれている運動
一定のリズムを刻む運動=ウォーキングやジョギングなどで強い付加はいりません。エアロビ的な物も効果的です。音楽を聞きながら軽いダンスもいいでしょう。テレビを見ながら足踏み昇降もありです。最近はジョギングより楽なのに効果が高いスロージョギングもテレビで紹介されました。体力に自信の無い方でもできる運動はあるという事ですね。
5.枕カバーを清潔に保つ
枕カバーが汚れているとそこに不要な雑菌が繁殖することになります。
せっかくきれいにした頭に繁殖した菌をつける事になります。
目に見えない菌ですが匂いの元にもなるのでなるべくこまめに交換しましょう。
シャンプーのコツについては別の記事にもしていますので、よかったらこちらもお読みください。
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脂漏性皮膚炎とは?
冒頭で脂漏性皮膚炎はマラセチア菌が原因で引き起こされるとお話ししたかと思います。
症状がひどい場合は皮膚科での治療が必要になりますが、症状の程度が軽ければ自宅ケアでよくなる皮膚炎なのでこちらで詳しくお話しすることにしました。
脂漏性皮膚炎の症状
地肌の赤み、かゆみ、赤や黄色の発疹、皮膚の乾燥、あるいは脂っぽさ、皮膚のクズ「鱗屑(りんせつ)」やフケ、厚いかさぶたに似た皮膚などが特徴です。赤ちゃんの場合「乳痂(にゅうか)」と呼ばれる黄色いベタベタしたかさぶたや、硬いかさぶた状のものができます。
出来る場所やできやすい年齢は?
大人では女性より男性に多く、生後2週間~12週の赤ちゃんに多くみられます。赤ちゃんの場合は細菌感染をしていなければ生後8ヶ月~12ヶ月くらいで自然治癒するそうです。成人の場合、掻いたり触ることで慢性かつ再発性となります。
出来る場所は頭皮だけではありません。鼻やほほ、耳の中や耳の後ろなど、皮脂の分泌が活発な部分に出来る事が多く胸部や脇、背中の中央にできる事もあります。鼻やほほの場合赤い発疹(ぽつぽつ)ができる症状が多いようです。
脂漏性皮膚炎の原因
皮脂の過剰分泌により皮脂に真菌のマラセチア菌が増殖することによって引き起こされます。(マラセチア菌は人の皮膚に広く存在するのですべてなくすということはできません。)
皮脂を取り込んだマラセチア菌は「遊離脂肪酸」という脂肪分を作るのですが、その遊離脂肪酸が皮膚を刺激する物質となって皮膚炎をおこすというわけです。
炎症をおこした皮膚は、通常の新陳代謝よりも早めにはがれてしまいます。それがかゆみやフケといった症状なのです。
真菌が活発になると免疫力が落ちるので、免疫が落ちるとますます菌が増え悪循環につながっていきます。また皮脂が酸化して嫌な臭いを出す原因にもなります。
ストレス、食生活の乱れ、睡眠不足、ビタミンBの不足、ホルモンバランスの乱れなどが皮脂の過剰分泌につながるので、別名「肌の生活習慣病」とも呼ばれています。
改善策
先程お話しした、
- 正しい頭皮ケア
- 食生活の改善
- 睡眠をきちんととる
- ストレスを軽減する
- 枕カバーを清潔に保つ
これらが基本の改善策となりますが、髪を洗う時に皮脂をとりすぎないことも重要です。皮脂をとりすぎると肌はバリアとなる皮脂が足らないと認識してより大量の皮脂を分泌しようとします。
市販の脂漏性皮膚炎の対策シャンプーがありますのでそちらを使うのもおすすめです。
髪を乾かした後、頭皮を軽くマッサージすると適度な皮脂が頭皮をカバーし守ってくれるので乾かした後の頭皮マッサージもおすすめです。
脂漏性皮膚炎の対策シャンプー
原因の真菌に効果がある市販のシャンプーとして、コラージュフルフル、オクト薬用シャンプーがあります。
低刺激性のシャンプーとしては、キュレル、ミノンが有名です。ドラッグストアなどで購入できます。
コラージュフルフル ネクストシャンプー
引用 Amazon
ミノン シャンプー
引用 Amazon
日常生活を改善して使うシャンプーも気を付けることで皮脂の分泌が正常になってくればしだいに症状は治まってきます。
病院での治療
ひどい症状だと感じる場合や症状が改善しない、少しでも長引いてると思ったら皮膚科を受診することをお勧めします。
皮膚科での治療は主に
- ステロイド外用薬(おもに軟膏、頭皮はローション)
- 抗真菌薬
- 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
の処方を受けます。処方薬だけに頼るのではなく、先ほど話した改善策も取り入れてくださいね。
改善しなければ再発してしまいます。大事なことは過剰な皮脂の分泌をさせないようにすることですから。
頭皮トラブル改善方法のまとめ
いかがだったでしょうか?
頭皮トラブルで考えられるものは
Aグループ:にきび・毛穴の炎症・脂漏性皮膚炎・頭皮の乾燥・頭皮につく薬品や商品のアレルギー
Bグループ:とびひ・白癬菌によるしらくも・アトピー
がありましたね。
対処法はA,Bともに
- 正しい頭皮ケア
- 食生活の改善
- 睡眠をきちんととる
- ストレスを軽減する
- 枕カバーを清潔に保つ
Bは加えて皮膚科の助けが必要です。
上手にストレス発散をして規則正しい生活やバランスの良い食生活をすることで頭皮のトラブルも軽減します。
心配しなくても大丈夫!私も日常生活を改善することで治りました。ひどい場合は皮膚科の助けが得られて治る症状ということを忘れずに、とにかく楽しく過ごすことが大事ですよ~!
それではここまでお読みいただきまして、ありがとうございました!