私は、数年前まで自分のワキガに悩んでいました。きっと、職場の人にも迷惑をたくさんかけていたんだろうな、と今では容易に想像できます。
なぜなら、この春入社してきた新人君がかなりのワキガレベルだったのです。
学校の教室ほどの大きくはない事務所です。毎朝事務所に入った途端、頭がクラクラするほどの強烈なニオイがしてくるのです。
私の隣の席に座る新人君。
元気に「おはようございます」と笑顔を見せてくれる新人君。
その笑顔に何も言えなくなる私。
でも終始臭ってくるそのニオイは、まさしく私が過去に放っていたワキガのニオイ。
風邪を引いているわけでもないのにマスクをしだす私。マスクをしてないとニオイによる頭痛と吐き気にどうにかなりそうでした。
あぁ、これが最近よく聞くスメルハラスメントか。
スメルハラスメント(和製英語: smell harassment)は、ハラスメントの一種で、においにより周囲を不快にさせる嫌がらせのこと [1]。スメハラと略される[1][2]。口臭、体臭だけではなく香りの強い柔軟剤などを不快に感じる人も増え、サービス業の就業規則に盛り込まれることもある[3]。職場を退職する理由ともなりかねない[4]影響で辞職したり、うつ病になったりすることもあるそうです。 引用 Wikipedia
ニオイの影響で辞職したり、うつ病になったりすることもあるそうです。
そして私もきっとこのスメルハラスメントの常習犯だったのね。過去の自分と周囲の人に仕事を辞めずよくここまで頑張ったと褒めてあげたい。
新人君だってこのままでは陰口たたかれたり、出世に響いたりするんじゃないかしら。
ここは元スメハラ常習犯のお姉さんが、人肌脱いであげよう。新人君のため、私のため、そして会社のために。
ワキガは自覚しにくい?
毎日新人君の様子をうかがってると(ちゃんと仕事もしてますよ)、どうやらワキガの自覚がないように見えました。
日本人の10人に1人はワキガなのに、自覚しているのはその2割にとどまるそうです。
なぜ、あんなにすごいニオイに気づかないのか。
それは、四六時中そのニオイの中にいるからです。
皆さん自宅のニオイって分かりませんよね?他人には分かるのに自分ではなかなか気づかない。それはやはり四六時中そのニオイの中にいるからなのです。
ちなみに私はワキガの自覚がありました。中2で発症した頃は軽度だったからか、臭う時と臭わない時があったので気づきました。
ニオイがパワーアップした社会人3年目にはやはり急に変わった自分のニオイに気づくことができたのです。
新人君はきっと発症当初からあのニオイレベルなんだと思いました。
ワキガチェック
ここまできて、あれれ?他人の心配する前に自分がワキガなのに自覚ないだけなのかも?と焦ってしまったそこのあなた。
安心してください、自覚できる方法はあります。
では、1つずつチェックしていきましょう。
両親のどちらかがワキガ
ワキガは優性遺伝なので両親ともにワキガの場合は約80%、片親がワキガの場合は50%の割合で子供にワキガが遺伝します。
私の場合は父親がワキガでした。
小さい頃から嫌だった父のワキガのニオイが自分からしてきたと気づいた思春期の私、人生終わったなと思ってましたね。
下着が黄ばむ。
ちょっと薄い黄色い、というレベルじゃありません。黄土色のような色。そして何となく脇の部分が黄ばんでいるのではなく、はっきり境目が分かる黄ばみです。
昔祖父の家の物干し竿に干されていた祖父の肌着はいつも脇が黄土色だったなぁ。
子供心に歳をとるとああなるんだと解釈していたけれど、もしかしたら祖父もワキガだったのかもしれません。
耳垢が茶色キャラメル状
ワキガの人は98%耳垢が湿っています。耳垢が湿っている人の80%はワキガです。ちょっと黄色く湿っている程度なら問題はないそうです。
腋毛が多い
ワキガの原因となるアポクリン腺は毛穴の部分にあるので、腋毛が多いとワキガの可能性も高くなります。
ワキガの手術をすると腋毛がその部分からは生えて来なくなるそうなので、ワキガと腋毛には密接な関係がありますね。
チェックしてみて私ワキガだった、というあなたも私がワキガで悩まなくなった理由を後ほどお伝えするので安心してくださいね。
他人にワキガを自覚させる方法
では本題に。
冒頭のように新人君にワキガだという自覚をしてもらうため、私は立ち上がりました。
まずは社内の掲示板にポスターを貼る。
「気づいてないけどそれってセクハラかも?」みたいなポスターもありますよね。
それと同じように「気づいてないけどそれってスメハラかも?」というポスターを作ってみました。
結果・・・効果なし。
読んでないのかもしれないです。
自分には関係ないと思ってるとポスターもただの景色なんですね。
次に上司から言ってもらうようにお願いしにいきました。
結果・・・上司は新人君のワキガには気づいていいたけど事なかれ主義のため、新人君に伝えてはもらえなかったです。
もうこれは元スメハラ常習犯の私が伝えるしかないかな、と覚悟を決めて新人君を飲みに誘って二人で話す時間を作りました。
「私、学生時代からワキガでさ、社会人になってからはさらにひどくなってほんとに辛い思いしてたんだよね。食生活に気をつけたり、清潔にしたり、ストレス溜めないようにしたり、スプレーでごまかしたり、いろんなことやったけどなかなか良くならなくて・・。」
新人君、「この人何カミングアウトしてるんだ?!」みたいな目でこちらを見てます。でも真剣に聞いてくれてるのでそのまま続けました。
「もう手術しかないのかな、って思ってた時にモンドセレクションで銀賞をとってるというワキガクリームに出会ったんだよね。クリアネオっていうんだけど、これでワキガの悩みから開放されて、来年には結婚も決まったんだ。」
新人君、「それはそれはおめでとうございます」と笑顔で言ってくれました。性格はとてもいい子の新人君。本題はここからだ。
「で、そんなワキガの先輩から君に。君も私が悩んでた時と同じニオイがたまにするんだよね、たまにね。もし悩んでるんだったら相談に乗りたいなと思って今日は誘ってみたの。」
ついに、言っちゃいました。
新人君はと言うと目を丸くしたあとうつむいて・・泣いてます。
あー、傷つけちゃったー。嫌われても仕方ない、新人君のためなんだから。そう思い謝ろうとしたら。
「・・ありがとうございます。自分がワキガなんて全然気づかなかったです。実は彼女に社会人になると同時にプロポーズしたんですけど、返答があまり良くなくて・・。理由も教えてくれないからどうしていいか分からなくて悩んでいたんです。」
おぉ。感謝されてしまいました。
「きっとこのワキガのせいで結婚に踏み切れなかったんじゃないかと思います。先輩、そのクリーム紹介してください!!僕、ワキガを治したいです。」
よかった、私の後輩愛が伝わった。
私がワキガの悩みから解放され、新人君に紹介したのはこのクリームです。
最後に
あなたワキガだよと伝えるのもあなた鼻毛出てるよと伝えるのも、最後は相手を思う気持ちなんだと思いました。
その人の悪いところをダメだと否定するのではなく、辛い気持ちに寄り添って伝えるのが1番いいのではないでしょうか。
後日談ですが、新人君はクリアネオを使い始め、こまめに汗を拭いたり食生活に気を遣ったり、「打倒ワキガ生活」を始めました。
横にいてもニオイが気にならないなぁと思い始めた頃、新人君は「先輩、彼女がプロポーズ受け入れてくれました。本当にありがとうございます」と私に伝えてきたのです。
ワキガのあなたもワキガじゃないあなたも、ワキガの悩みから解放されるこの幸せのバトンを、誰かに渡してみませんか。