実は、中国人が3〜5%、アメリカ人は80%、なんとアフリカ系は100%がワキガだと言われています。100%・・・!?正直驚きを隠せません。だから海外の人は香水をいっぱいふるのでしょうか・・・。
ちなみに、日本はどうなのでしょうか。日本人は、人口の約10%がワキガと言われています。10人に1人の確率ということですね。世界的にみても日本人のワキガ率は低いです。
ワキガじゃない人は、10人に1人のうちに選ばれなくてラッキー!と思うかもしれません。ですが、家族や身近な人がすでにワキガだったり、これからワキガになってしまうことだって十分ありえるのです。
海外では多くの人がワキガですが、逆にいうと、多くの人がワキガに対して理解があると言えるのではないでしょうか。
ワキガの人は、そうでない人が想像もできないくらい悩んでいます。ワキガになりたいと思ってなってしまった人はいないでしょう。
ワキガの人もそうでない人も、もっとワキガの事を知って視野を広げることで、今後の人間関係にきっと役立ちます。
ワキガとは
ワキガには腋臭症(えきしゅうしょう)という正式名称があります。腋臭とは脇の下の臭いといった意味になります。
人の体にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。エクリン腺は体のあらゆる部分に存在していて、そこから出る汗はほとんどが水です。
一方、アポクリン腺は脇や乳首、陰部といった特定の部分に存在し、そこから出る汗にはたんぱく質や脂質などの臭いの元となる成分が含まれています。
アポクリン腺から出た汗が皮膚に住み着いている常在菌により分解され、独特な臭いがは発生します。これがワキガです。
ワキガの独特の臭いとは、一体どのような臭いなのでしょうか。ワキガの臭いには様々な種類があります。硫黄の臭いやカビっぽい、酸っぱい臭いなどなど。
実際臭いの種類も豊富ですし、人は臭いの感じ方が違う生き物なので、同じ人でも違う受け取り方をしている場合もあるのです。
自覚症状がなくても他人の勧めで受診したらワキガと診断される、といったこともあります。
なぜワキガになるのか
日本人はおよそ10人に1人の割合で発症するワキガですが、ではワキガになる人とそうでない人とでは、どんな違いがあるのでしょうか?ここからは、ワキガを発症する主な原因を見ていきます。
汗腺が多い
アポクリン汗腺が多いとその分臭いを発する成分を出す量も増えるということです。臭いももちろんですが汗の量も多くなるので、多汗症である人も多いです。また、アポクリン汗腺は毛の生えている毛根部分に存在しているため、脇毛の量が多い人はワキガになりやすいです。
遺伝
両親がワキガだと、その子どもも発症する可能性がかなり高くなります。片親がワキガだと50%の確率で、両親がワキガの場合は80%の確率でワキガは遺伝すると言われています。
恐ろしい確率の高さですね。こればかりは自分は悪くないですよね。
女性ホルモンの影響
男性が多いと思われがちですが、実は女性の場合ワキガになりやすくなってしまう時期があります。それは月経や妊娠、出産の時期です。このような時期、女性ホルモンの分泌量は多くなっていくといわれていますが、それがアポクリン汗腺に影響があったのです。
アポクリン汗腺は赤ちゃんの頃から人間の体に存在しています。思春期を超え、女性ホルモンの分泌が活発になると、なんとアポクリン汗腺の働きもを活発にさせてしまうため、一時的にワキガになってしまったり、もともとワキガの人は臭いが強くなってしまったりします。
逆に、更年期がくると女性ホルモンの分泌は少なくなっていきますので、ワキガの臭いが気にならなくなるようなこともあるます。
生活習慣の乱れ
肉などのタンパク質を多く含む食生活がメインになっていたり、飲酒や睡眠不足、ストレスが多いとワキガの原因になってしまいます。冒頭で世界のワキガ率について少しお伝えしましたが、実は人種によってワキガの発生率が違うのは食生活が原因だと言われています。
ワキガ発生率の高い黒人や欧米人は、昔から肉中心の食生活でした。一方、発生率の低い日本人や中国人は魚や野菜を食べることも多かったことが影響していると言われています。
片方だけワキガに
私の知り合いで、片方だけワキガかもしれないと悩んでいる人がいます。実際片方だけワキガになってしまうなんて、ありえるのでしょうか。
先ほど汗腺が多いとワキガになりやすいとお伝えしましたね。片方の脇の汗腺や雑菌がもう片方より多いという場合、臭いの強さに差が出てしまいます。その結果、片方だけの臭いが強くなってワキガになってしまうこともあります。
片方だけワキガの場合、ワキガの方だけたくさん汗をかいたりすることもあるのです。シャツに汗が片方だけうつっている人は、もしかしたら片方だけワキガかもしれないですね。片方だけワキガだと逆に何かの病気なのか!?と不安になってしまいそうですね・・・。
ワキガ対処法
日常生活での解決策
食生活に気をつける
肉や牛乳などの動物性たんぱく質や脂質を多く取っていると、アポクリン腺から出るたんぱく質に老廃物が増えてしまいます。そうなると臭いがより強くなってしまうのです。野菜や魚、大豆類などもバランス良く摂取するようにしましょう。
飲酒や喫煙を控える
アルコールやタバコに含まれるニコチンはアポクリン汗腺の働きを活発にしてしまいます。喫煙、飲み過ぎには注意しましょう。
ストレスを溜めない
ストレスを感じると自律神経が乱れてしまい、アポクリン汗腺を刺激してしまうのです。ストレスをためないように普段から食生活や睡眠、適度な運動などを心がけましょう。
運動
運動を習慣的に行うことで老廃物の排出を促すことができます。半身浴やサウナなどもおすすめです。
脇を清潔に保つ
こまめにシャワーを浴びたり、汗をかいた時はしっかり拭き取りましょう。乾いたタオルで拭くよりも、汗シートなどアルコール、除菌効果のあるもので拭くことをおすすめします。
毛を処理する
毛がたくさん生えていると、細菌の繁殖が活発になります。除毛してみると臭いが軽減することもあります。
服装に注意する
ポリエステルなどの化学繊維を使った服は、吸水性が悪く、汗が乾きにくく雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。できればコットンなどの天然素材の服を着ることがおすすめです。
制汗剤やクリーム
汗の分泌量を減らすことができる制汗剤は殺菌効果があるものを選ぶのもおすすめです。制汗剤やクリームのおすすめ記事もご紹介しておきますね。
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手術
上記のような対策をしても改善が見られない場合でワキガの可能性が高いようであれば、まずは皮膚科や形成外科を受診しましょう。
手術できるなら色々やってみるよりも手っ取り早いし、すぐに解決できそう!と思うかもしれません。ですが、ワキガの手術はそう甘いものではありません。ワキガの度合、医師の診断によっても手術内容は変わってきます。また、治療方法により保険が適用になる場合もあります。
原因や程度によって治療法は異なりますが、アポクリン汗腺や皮脂腺を除去する手術を行ったり、電気の力でこれらを破壊したり、ボトックス注射で発汗を抑えたりといった方法があります。入院を伴う手術も多いようです。
さいごに
ワキガのことを知っていただくことはできたでしょうか。ワキガの原因は様々で、関係ないと思っていても誰でも発症してしまう可能性があるのです。
ワキガで悩んでいて、治そう改善しようと努力している人はたくさんいます。けれども、実際はそう簡単に解決しないのも現実です。ワキガの人に対して心ない言葉を言ってしまう人も少なくないです。
もっとワキガについて知ってくれる人が増えて、理解し合える社会になってほしいですね。